知っておきたい基礎知識<地震>
地震の時の"もしも"に備える、6つのポイント

日本は地震大国です。日本列島は、太平洋プレート、フィリピン海プレート、北米プレート、ユーラシアプレートという4つのプレートがぶつかり合う場所に位置していて、世界で発生するマグニチュード6以上の地震の約20%が、日本周辺で起きています。
そんな日本で暮らす私たちにとって、地震は「いつか起きるかもしれない」ものではなく、「いつでも起こりうる」現実です。だからこそ、もしもの時に落ち着いて行動できるよう、地震のしくみや揺れの特徴、身を守る方法、そして日頃の備えについて知っておくことが大切です。
この記事では、もしも地震が起きた時に備えるための知識を6つのポイントでまとめました。
自分自身と大切な人を守るために、今一度、地震への理解を深めてみませんか?
地震の種類と特徴
地震は主に「海溝型(プレート境界型)」と「内陸型(直下型)」 に分類されます。
海溝型地震はプレートの境目が動くことで起こります。震源が深く、広範囲に揺れが伝わり、津波を伴うこともあります。代表的なものに、東日本大震災や、今後起こると言われている南海トラフ巨大地震などがあります。
一方、内陸型地震は活断層のずれにより起こります。震源が浅く、局所的に強く揺れます。代表的なものに、阪神・淡路大震災や熊本地震などがあります。
💡ポイント1
地震は大きく2種類あり、それぞれ特徴が異なる!
マグニチュード(M)と震度の関係
地震の規模は「マグニチュード(M)」で表されます。これは、地震そのもののエネルギーの大きさを数値化したものです。
それに対し、ある場所がどのくらい揺れたかを示すのが「震度」です。震源からの距離や地盤の状態によって揺れやすさが変わります。
マグニチュードが大きいからと言って、震度が大きいとは限りません。震度には、震源との距離が大きく関係しています。
震源が近い場合、マグニチュードが小さくても震度が大きくなりやすいです。
震源が遠い場合、マグニチュードが大きくても震度が小さいことがあります。
また、遠くで起きた地震であり揺れを感じなかったとしても、その影響で津波が来ることがあります。
このように、地震の影響は単純でないため、油断をしないことが大切です。
💡ポイント2
「マグニチュードが大きい=強い揺れ」「揺れが弱い=マグニチュードが小さい」とは限らない!
緊急地震速報のしくみ
大きな地震が発生したときに、強い揺れが来ることを知らせてくれるのが緊急地震速報です。
地震動には、早く伝わるP波と、続いて伝わる強い揺れのS波があります。震源に近い地震計でP波をとらえた観測データから、震源やマグニチュードが迅速に推定され、各地へS波の到達時刻と震度などを予想し、可能な限り素早く知らせます。
緊急地震速報が発表されたら「まずは身の安全確保を優先する」ことが大切です。速報から強い揺れが来るまで数秒~十数秒間の猶予が生まれる可能性があります。この猶予を有効に使って身を守る行動を起こしましょう。
💡ポイント3
緊急地震速報が強い揺れを知らせてくれる!
揺れの瞬間に取るべき安全行動
緊急地震速報がでたら、第一に、身の安全を確保しましょう。
① まず体勢を低くして地面に近づく。
② 固定されたデスクやテーブルの下に入るなど、頭を守る。
③ 揺れが止まるまで動かない。
💡ポイント4
姿勢を低くし、頭を守り、動かない!

その場に潜む危険を知り、命を守る
揺れがおさまったら、自分のいる場所とそこに潜むリスクを落ち着いて判断し、引き続き安全確保に努めましょう。
地震による被害は、揺れによるものだけではありません。関連して、津波や土砂災害、液状化現象が起きる場合があります。また、火事やインフラの損傷などの二次災害の可能性も忘れてはいけません。
地震は予測が難しいですが、今いる場所に潜むリスクを把握しておくことで、いざという時でも、素早く適切な行動をとることができます。それによって、命が救われるかもしれません。
💡ポイント5
場所によるリスクを把握し、命を守る行動に繋げよう!
■場所によるリスクと、安全確保のためのアクションの例
日ごろの備えが、迷わず動ける力になる
地震が起きる前から、私たちにもできることがあります。万が一に備えて、日ごろからできることをしておきましょう。
たとえば、
・家具類の転倒、落下、移動などの防止対策
・家屋や塀などの耐震性の把握、必要に応じて強化
・消火器や消火栓の位置の確認
・非常持ち出し品の用意
・避難所の位置や地域に潜むリスクの把握
・家族で連絡を取る方法を相談 など
地域ごとにハザードマップが整備されています。
日ごろからできる備えもまとめられているので、是非、お住まいの地域のものを読んでみてください。
💡ポイント6
日ごろからの備えが、万が一のときに「迷わず動ける力」になる!
知っておくだけで、守れる命がある
ここまで、もしも地震が起きた時に備えるための6つのポイントをまとめてきました。
今一度、おさらいしてみましょう。
揺れを感じたときにどう動くか、今いる場所にどんなリスクがあるか、日ごろからどんな備えができるか。こういったことを知っているだけで、災害時の行動に大きな差が生まれます。
たとえば、低い姿勢をとって頭を守ること。海の近くにいる場合は津波の危険があること。家具の固定や非常持ち出し品の準備が、いざというときの安心につながること。こうした知識は、特別なものではなく、誰でも身につけられるものです。
地震を予知することはできません。でも、備えることはできます。また、知っておくだけで守れる命があります。
この記事が、あなた自身と大切な人を守るための、助けとなれば嬉しいです。