7月1日は“富士山”の山開き、優美な姿と共に防災意識を

71日、富士山(山梨側)の山開きが報じられ、夏山シーズン到来といったところでしょうか。世界文化遺産に登録されて以来、その優美な姿は国内外の登山者や観光客を惹きつけてやみません。標高3,776メートル、日本最高峰のこの山は、自然の美しさと精神的象徴としての重みを併せ持ち、古くから多くの人々の心に深く刻まれてきました。

しかし、この美しさの背後には、“活火山”としての顔もあります。最後の噴火は1707年の宝永大噴火、当時は江戸の町にも火山灰が降り積もったと記録されています。それから300年以上が経過した現在も、専門家の間では「いつ噴火してもおかしくない」との見解が出されています。

こうしたリスクを正しく理解し、備えておくことは、富士山と共に生きる私たちの責任ではないでしょうか。内閣府で検討された「富士山ハザードマップ」などでは、溶岩流や火砕流、降灰や噴石などの影響範囲と避難場所・避難経路が確認できるので、この機会に確認してみてはいかがでしょう。日頃からの心構えが、いざという時に命を守る第一歩となります。

富士山は、ただの観光地ではありません。その美しさに感動する一方で、災害リスクと向き合う“学びの象徴”でもあります。この山開きの日にあたって、私たちはその荘厳な姿に敬意を払いながら、見えない脅威への認識を深め、防災意識を高めていく必要があるのではないでしょうか。

(文:T.G

 


 ■ 画像の説明
 上:衛星から照射する電波の反射波で観測するSAR(合成開口レーダ)衛星で捉えた富士山
 下:普通のカメラのように、太陽光の反射を捉えた光学衛星から撮影した富士山


 ■ 参考外部リンク
 ◇富士山ハザードマップ(令和33月改定) 山梨県ホームページ 静岡県ホームページ
 ◇内閣府「富士山ハザードマップ検討委員会

自分ごとを、ひとりごと。編集室ブログ

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