ブラックアウト体験記

みなさん、「ブラックアウト」という言葉を聞いたことはありますか?

「ブラックアウト」とは、一般的な停電とは異なり、電力会社の管轄する地域全体が一斉に停電する現象を指します。

今から7年前の2018年9月6日深夜、北海道胆振地方中東部で最大震度7の地震が発生しました。この地震の影響で複数の発電所が停止し、北海道全域が停電するという「ブラックアウト」が起きたのです。
北海道では約295万戸が停電し、交通や通信などの社会インフラが麻痺する深刻な事態となりました。

当時、私は札幌市内に暮らしていて、このブラックアウトを実際に体験しました。

   

電気のない街で見た「非日常」


地震直後、携帯電話はほとんどつながらず、通信は非常に不安定な状態に。充電手段も限られていたため、バッテリー残量を気にしながら使うしかありませんでした。公衆電話の前には、家族や知人と連絡を取ろうとする人々が列を作っていました。

コンビニでは、電子マネーやクレジットカードが使えず、現金のみの対応に。ATMも停止していたため、キャッシュレスに慣れていた人々は戸惑いを隠せない様子でした。

信号もすべて消えていたため、道路は大混乱。車は徐行し、交差点では警察官が手信号で交通整理を行っていました。

私が暮らしていたマンションでは水道も止まり、トイレが流せないという問題も発生。生活用水を確保するために、近隣の給水所やスーパーを回りました。

地震発生から3日目、ようやく自宅に電気が戻りました。その瞬間、電気のある暮らしのありがたみを心から実感しました。それと同時に、自然災害が社会インフラに与える影響の大きさと、私たちの生活がいかに電力に依存しているかを痛感しました。

   

(文:Y.N)

自分ごとを、ひとりごと。編集室ブログ

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