帰り道が空っぽ?トラックのムダを減らす新しい動き

「空っぽの帰り道」が生むムダとは?

物流の現場では、行きのトラックは荷物でいっぱいでも、帰りは空っぽで走ることがあります。これが「実車率の低下」と呼ばれる問題です。
実車率とは、トラックが荷物を積んで走っている割合のこと。荷物がない状態で走る時間が長いほど、燃料代や人件費がかさむだけでなく、環境にも負担がかかります。

この問題を解決するには、運送会社だけでなく荷主の協力が欠かせません。荷主とは、運送会社に「この荷物を運んでください」と依頼する企業や事業者のこと。実はこの荷主の工夫で、物流の効率が大きく変わってくるのです。

「物流にやさしい発注」がムダを無くす!

これまでは、運送会社が配送計画を立て、荷主から「この時間に届けて」「この日に必ず」という希望にあわせて調整していました。しかし、こうした指定が多いと柔軟な対応が難しく、空車での移動が増えてしまいます。

そこで、2025年の法改正により、荷主も物流の効率化へ協力することが努力義務となりました。たとえば、納期を柔軟にしたり、他の荷主と一緒に荷物をまとめて運ぶ「共同配送」を進めたりすることが求められています。荷主の発注方法が変わることによって、帰り便にも荷物を積みやすくなり、実車率の向上につながります。これが「物流にやさしい発注」です。

未来の物流は、協力がカギ

人手不足や働き方改革など、物流業界が抱える課題はたくさんあります。でも、荷主と運送会社が一緒に考え、協力することで、持続可能な物流の仕組みが実現できるのではないでしょうか。

毎年10月9日は「トラックの日」。語呂合わせで「ト(10)ラック(9)」にちなんで制定されました。私たち一人ひとりが、物流の未来に目を向けるきっかけにしてみませんか?

   

(文:N.N)

自分ごとを、ひとりごと。編集室ブログ

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