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栗駒山の紅葉 地球温暖化の影響が美しい景色にも・・・
ハイキングや山登りで皆さんの一番好きな季節はいつでしょうか?高山植物が咲き乱れる初夏!という人や、静謐な雪山!という強者もいるかもしれませんが、やはり人気なのは“紅葉の秋”ではないでしょうか。
紅葉が見事な山として必ず挙げられるのが、宮城・岩手・秋田の3県にまたがる標高1,626メートルの栗駒山です。この写真を撮ったのは2024年10月14日で、ちょうど色づきのピークでした。この日付を見て、あれ?と思う人がいるかもしれません。そうです。紅葉のピークが年々遅くなっているのです。
栗駒山の紅葉のピークは、10年ほど前までは9月の下旬でしたが、最近では10月上旬へと変わっています。紅葉の名所である京都でも、これまでは11月が見ごろのピークだったのが、12月にずれ込むようになりました。さらに、紅葉の色づきが冴えないことも多くなりました。
その原因の一つが地球温暖化と考えられています。一般的に、紅葉は最低気温が8℃以下になると始まって、5~6℃になった頃が見ごろを迎えるといわれていますので、気温が高い状態が続けば、紅葉は遅れていきます。
また、衛星データなどの観測で、近年、春先の展葉(てんよう:葉が開くこと)が早まっていることが確認されていて、葉が開いている期間が延びると、紅葉の色がくすんでしまう傾向が強いという研究結果も出されています。
2025年も記録的な暑さだったので、紅葉の行方が気になるところですが、どうでしょうか。いつまでも、日本の美しい紅葉の風景を残していけると良いですね。
(文:H.U)




