消えゆく氷河、変わる山 ― 国際山の日に想うこと

12月11日は「国際山の日」

国連がこの日を定めたのは、山岳地域の重要性を世界に広めるためです。
2002年の「国際山岳年」を契機に、翌2003年、国連総会で正式に制定されました。
以来、毎年異なるテーマが掲げられ、山と人類の関係を多角的に考える機会となっています。

2025年のテーマは『氷河は山岳とその先の水、食料、暮らしを支える』。氷河や雪、水は、私たちの飲料水や農業、再生可能エネルギーに欠かせない存在です。しかし、気候変動によって、水資源の不安定化や災害リスクが高まっています。国連は2025年を「国際氷河保全年」と宣言し、氷河の役割と危機を世界に訴えています。 

国際山の日シンポジウム

12月6日に、全国山の日協議会が主催する「国際山の日シンポジウム」に参加しました。
印象的だったのは、ヨーロッパの氷河の変化が流域社会に与える影響を、科学・経済・防災の視点で議論していたことです。 山から森、里、海へと続くつながりを再認識し、地域づくりや政策への応用が強調されていました。 
日本の事例として、山形大学のロペス・ラリー教授から蔵王のアイスモンスター(樹氷)の減少について報告されていました。アイスモンスターとは、アオモリトドマツの表面に付着した巨大な白い氷です。冬の蔵王を象徴する景観で、観光としても楽しめます。
しかし近年、蛾の幼虫による食害やキクイムシの発生で、一部斜面でアオモリトドマツの枯死が急速に進行しているとのこと。さらに、数十年単位では気温上昇の影響も示唆されています。

未来に向けて、何を考えるか

シンポジウムで投げかけられたこの問いは、「未来に向けて、自然を守るために何を考えていますか」でした。
 Think globally, act locally(地球規模で考え、地域で行動する)
 今年の冬も、蔵王のアイスモンスターに会いに行き、その問いに対する答えを見つけてきたいと思います。


(文:S.T)

自分ごとを、ひとりごと。編集室ブログ

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