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空を拓いた機体 「ビーチクラフトC18S」
「ビーチクラフトC18S」をご存じでしょうか?
アメリカのビーチ・エアクラフト社が開発し、1937年に初飛行。第二次世界大戦中には軍用機としても広く使用されていました。戦後は民間機として、旅客輸送、貨物輸送、航空測量など多岐にわたる用途で活躍しました。
70年ほど前、パスコが自社機として初めて導入したのがこの「ビーチクラフトC18S」。私たちにとっては、空への第一歩であり、測量という営みに新たな視座をもたらした象徴的な存在でした。
この機体は双発レシプロ機で、頑丈な全金属製の低翼機でした。また、滑走路の制約が少ない設計は、日本の地形にも適していました。最大6名の乗客を乗せ、安定した飛行性能を誇るこの機体の中央部に、直下方向に穴をあけて航空測量用の巨大なカメラを設置し、航空写真測量機として活躍しました。
こうして「空から地形を読む」航空写真測量の黎明期において、地形の把握、都市計画、インフラ整備など、社会の基盤づくりに貢献するツールとなったのです。
今では人工衛星やドローンなどの技術も進歩し、測量の手法も大きく進化しました。しかし、C18Sが切り拓いた空の記憶は、私たちの技術者魂の原点として今も息づいています。
空を飛ぶことは、ただの移動ではなく、視点を変えること。社会の今を空から捉える最初の一歩だったのです。
12月17日は「飛行機の日」。遠い昔の私たちの原点に思いをはせる日でもあります。
(文:K.N)




