命をつなぐ環境の大切さに出会った日
新潟県の五泉八幡宮を訪れた際、水辺でのんびりと過ごす亀たちの姿を見かけました。
この神社では、御創祀1140年を迎えたお祝いとして、高円宮・出雲大社から下賜された日本石亀(ニホンイシガメ)が飼育されています。
大人の亀に混じって、小さな子亀が甲羅を干したり懸命に泳ぐ姿が、とても愛らしく感じました。
神社の方に聞いてみると「安心できるのか、毎年のように子亀を生んでくれる」のだそうです。
調べてみると、日本石亀は日本固有の亀で、本州や四国、九州の一部に生息していることがわかりました。
昔はよく身近な水辺で見られたそうですが、近年では開発による生息環境の変化や外来種の影響などで、その数は減少傾向にあるといいます。
環境省のレッドリストで絶滅危惧Ⅱ類に分類されていて、その保全が課題となっているということを知り、驚きました。
のんびり泳ぐ姿からは、その数が減少しているとは想像できません。
「毎年、子亀が生まれる。」
当たり前のように聞こえた言葉は、実はとても貴重なことだったんです。
準絶滅危惧種に分類されている日本石亀が、この場所では毎年新しい命をつないでいる。
池で元気に泳ぐ子亀たちの姿を見ていると、生きものが暮らし、命を育み、次の世代へ受け継いでいける環境の大切さを改めて実感します。
生物多様性を支える土台は、こうした命のつながりの中にあるのかもしれません。
神社の方の言葉を思い返しながら、このかけがえのない命の連鎖がこれからも続いてほしいと思った一日でした。
(文:樋口 沙紀子)
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