地図の日に考える、日本の地図のはじまり ― 地図の歴史を辿る
地図の日に考える、日本の地図のはじまり ― 地図の歴史を辿る
みなさんは「地図」と聞いて、どのようなものを思い浮かべるでしょうか。
スマートフォンの地図アプリ、観光パンフレット、ハザードマップなど
地図は私たちの生活にとって、今や欠かせない存在となっています。
地図アプリでは目的地を入力するだけで、
現在地からの距離や移動方法、所要時間までを自動で示してくれます。
その便利さゆえに、「地図とは何か」「どのように作られてきたのか」を
深く考える機会は意外と少ないのではないでしょうか。
4月19日は「地図の日」です。
これは、1800年(寛政12年)4月19日に、
伊能忠敬が江戸を出発し、日本全国を測量する旅を始めたことに由来しています。
この「地図の日」をきっかけに、日本における地図の歴史、
そして"最初の地図"を辿ってみましょう。
奈良時代に描かれた「越中国射水郡鳴戸村墾田図」というものがあります。
これは、寺院や貴族が所有する田畑を把握・管理するために作られた地図のようなもので、
土地の区画や境界、面積などが具体的に描かれていました。
これに対し、平安時代以降に広まった「行基図」は、国や地域のおおまかな位置関係を示し、
日本の国土を俯瞰的に理解することを目的とした概念的な地図でした。
こうした地図を経て、日本全体を正確に描いた初めての地図が誕生します。
それが、伊能忠敬による「伊能図」です。
伊能忠敬は全国を歩き、歩幅を数えて距離を測る「歩測」や、
星の位置から緯度を割り出す天文観測といった
当時最先端の方法で測量を行いました。
十数年にわたる調査の末に完成した伊能図は、
現代の地図と比べても大きなずれが少なく、高い精度を有するものでした。
私たちが日常的に使っている地図は、
こうした長い歴史の積み重ねの上に成り立っています。
地図の日をきっかけに、身近な地図の背景やその価値に改めて目を向けてみてはいかがでしょうか。
(文:Y.N)