いつも通る道の名前の由来を知っていますか? 権之助坂に隠された歴史

いつも通る道の名前の由来を知っていますか? 権之助坂に隠された歴史

皆さんは、いつも通る道の名前の由来を考えたことはありますか?
通勤や通学で何気なく歩く道も、背景を知ると景色が少し違って見えてきます。

私が通勤の時に通る道にも、そんな坂道があります。
目黒駅から山手通り方面へ続く、行人坂と権之助坂です。
どちらかの坂を通って会社へ向かいます。

行人坂は細くて急勾配な坂道。
対して権之助坂は広く、勾配も緩やかです。

私がよく通るのは権之助坂。
歩道が整備されて商店街もあり、安全に楽しく歩くことができます。
これまで坂の名前の由来を深く考えたことはありませんでしたが、
偶然、その由来を耳にする機会がありました。
 
江戸時代、権之助さんは目黒の田道地区の名主でした。
当時の主要な道は細くて急な行人坂のみで、多くの人々が困っていたそうです。
そんな人々の生活のため、権之助さんが私財を投じて作ったのが今の権之助坂です。
人々の生活は格段に便利になった一方で、
権之助さんは勝手に道を作ったことを理由に、幕府から罪に問われ死罪になったそうです。
処刑場に連れていかれるときに権之助さんは自分の作った坂道を通り、
坂の上から坂道と故郷を眺めたそうです。

死罪の理由は他にも諸説ありますが、彼のお墓に添えられた看板には、
坂道を拓いたために死罪になったと書かれているので、
私はこの説を信じたいと思いました。

道を作るのも命がけだった時代がありました。
それでも、その時に作られた道は何百年も経た今でも人々の生活を支え、
作った人の名前を後世に伝えてくれている。
「権之助坂」を通るたびに、歴史を振り返り、
心や記憶に残る仕事を成し遂げた権之助さんをそっと思い出すようになりました。
そんな坂の近くにパスコの本社があることにも、
何かの縁を感じずにはいられません。 

あなたの街にある坂や道の名前も、調べてみてはいかがでしょうか。
きっと新たな発見があるはずです。

   

(文:H.M)

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