終わらないまちづくり ~千里ニュータウンに見る、まちの再生力~
2025年、大阪では55年ぶりとなる国際博覧会が開催されました。
前回の大阪万博が開かれた1970年、日本は高度経済成長の真っただ中にあり、大阪北部の丘陵地では人口急増に対応するため大規模な住宅開発が進められていました。
その代表が日本初の大規模ニュータウンである千里ニュータウンです。
かつて竹林や雑木林が広がっていた丘陵地は住宅地へと姿を変え、全国から多くの人が移り住みました。
人口は1975年に約13万人に達しましたが、その後は少子高齢化や世代交代の影響を受け、2005年には約9万人まで減少しました。
しかし、住宅や団地の建て替え、駅前再開発、公共施設の更新などにより新しい世代が流入し、2020年には人口が再び10万人を超えました。
そんな千里ニュータウンの現在の姿を自分の目で確かめたくなり、私はこの街を歩いてみました。
かつて抱いていた「古くなった住宅地」という印象は大きく変わりました。
昭和の面影を残すノスタルジックな住宅地と新しいタワーマンションが共存し、整備された歩行者空間には幅広い世代の人々が行き交っています。


木々に囲まれた遊歩道には豊かな緑が残され、高度経済成長期に整備されたまちが、時代の変化を受け入れながら今も人々の暮らしを支えていることを実感しました。
ニュータウンは全国的に高齢化や人口減少、インフラの老朽化という課題を抱えています。
しかし千里ニュータウンでは、既存の資産を活かしながら時代のニーズに合わせた再生が進められていました。
人口構成や暮らし方が変われば、求められる施設やサービスも変わります。
まちづくりは完成した瞬間がゴールではなく、使い続けながら育てていく営みなのです。
9月15日の「ニュータウンの日」にちなみ街を歩きながら、ニュータウンは過去の開発遺産ではなく、社会の変化に合わせて成長し続ける存在なのだと感じました。
人の目線で暮らしやすさを見つめ直しながら再生を重ねる街。
その姿に、これからのまちづくりの可能性を感じた一日でした。
(文:高岸 且)
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