小惑星の地球衝突を回避する方法とは?
「はやぶさ2」
小惑星「リュウグウ」から石を地球に持ち帰るミッションを成し遂げた
日本の小惑星探査機としてご存じの方も多いことと思います。
この「はやぶさ2」が7月5日、拡張ミッションとして、
小惑星「トリフネ」の近くを通過しながら観測する惑星探査(フライバイ探査)が予定されています。
今回の探査の後は、
最終目的地の小惑星「1998 KY26」に2031年に到着して探査を行うことを目指しています。
働き者ですね。
この小惑星「1998 KY26」は、直径数10mというとても小さな天体です。
実は、同じようなサイズの小惑星は宇宙空間に多数存在しており、100~1000年に1度の頻度で地球に衝突する可能性がある天体と考えられています。
このような天体に対する探査は、地球衝突に備える上での有益な知識を獲得することとなり、小惑星探査の目的の一つです。
6月30日は「国際小惑星デー」です。
1908年のこの日、
直径50~100mともいわれる小惑星が地球大気圏に突入し、
ロシアのシベリア上空で爆発したツングースカ事件が起きました。
大阪府の面積(約1,905 km2)よりも広い約2,000km2にわたって森林に被害が及びましたが、衝突の痕跡であるクレーターや小惑星の破片は見つかっておらず、一説では、小惑星は地球に衝突せずに地球の上空を通過したとも言われています。
「地球衝突に対する対策って、映画みたいに小惑星を破壊するの?」
と思われるかもしれませんが、現実には破壊ではなく軌道変更の研究が進んでいます。
破壊してしまう場合、
破片が多数発生し軌道がバラバラになり、軌道を予測することはさらに難しく、散弾化した破片が地球に衝突する可能性がある、などの問題が指摘されています。
実際、NASAが2022年9月27日に実行した「DART(Double Asteroid Redirection Test)ミッション」では、自動販売機ほどの探査機をはるか1,100万km彼方の小惑星に「体当たり」させ、その軌道を変えることに成功しています。
SFみたいな話ですが、人類の将来を左右するかもしれない拡張ミッションを遂行する「はやぶさ2」に、まずは7月5日のフライバイ探査が成功するよう、エールを送りたいと思います。
(文:金子 力也)
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