姫路城が教えてくれる、未来へ受け継ぐ責任
姫路城。
白漆喰に覆われた優美な姿から「白鷺城」とも呼ばれ、
現存する天守の中でも最高傑作の一つとして世界中から多くの観光客が訪れています。
1993年に、日本で初めて世界文化遺産に登録されました。
私が訪れたのは2025年9月。
当時の入城料は大人一律1,000円でしたが、
2026年3月からは18歳以上2,500円、
姫路市民は1,000円に据え置きとした料金体系(2026年7月時点)が注目を集めました。
城巡りが趣味の私にとって、料金値上げは、正直なところ痛いニュースです。
でもその理由を知ると、見方が少し変わりました。
姫路城では、今後10年間で約280億円もの保全・修理費用が必要と見込まれています。
石垣や漆喰、木造建築の修繕、防災設備の更新、来城者の安全対策など、
400年以上の歴史を持つ文化財を維持するには、想像以上のコストがかかるのです。
世界遺産に登録されると、国内外での知名度が向上し、
多くの観光客を呼び込むことで地域経済の活性化につながります。
また、文化財の保存・活用に対する支援や寄付を集めやすくなるなど、
保全活動を後押しする効果も期待できるといったメリットもあります。
一方で、世界遺産への登録はゴールではなく、未来へ受け継いでいく責任の始まりでもあります。
文化財を守るための財源確保にはさまざまな方法がありますが、
今回の料金改定もその一つの選択だったのでしょう。
この世界に誇る文化遺産を次の世代へ残すための投資だと考えれば、納得です。
7月7日は「世界遺産の日」です。
世界遺産は、ユネスコが「人類共通の財産」として認めた文化遺産や自然遺産であり、その価値を未来へ受け継ぐことを目的としています。
未来に誇れる景色を残すために、私たち一人ひとりが"受け継ぐ担い手"であることを忘れずにいたいと思いました。
(文:田口 勝教)
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