秋の風物詩"ススキ"の意外な力

秋の風物詩

青空の下、一面に広がるススキ。
風が吹くたびに穂が揺れ、その様子はまるで黄金色の波が大地を渡っていくようです。

ススキといえば、お月見や秋の草原など、「秋の風物詩」というイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。
私もこれまで、季節の訪れを感じさせてくれる植物の一つだと思っていました。

ところが調べてみると、意外な役割を発見したのです。
風に揺れる姿からは繊細な印象を受けますが、ススキは火山灰が積もった土地や栄養の少ない土地など、ほかの植物が育ちにくい場所でもたくましく育つ植物です。
根を広く伸ばして群落をつくるため、雨や風で土が流されるのを防ぐ働きがあります。
また、ススキ草原は昆虫や小動物、草原に育つさまざまな植物にとって大切なすみかにもなっています。
やわらかな穂を揺らす姿からは想像しにくいかもしれませんが、ススキは土を守り、多くの生き物たちの暮らしを支える存在でもあったのです。

秋になると当たり前のように目にしていたススキ。
その姿は控えめではありますが、足元で大地や生きものたちの暮らしを支える頼もしい存在のようにも見えてきます。
この秋、ススキを見かけたら、そのやわらかな穂の奥にある力強さにも思いを巡らせてみてはいかがでしょうか。

   

(文:樋口 沙紀子)

    

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