須佐ホルンフェルスに刻まれた地球の記録 ―縞模様の断崖から考える私たちの未来―
山口県萩市の日本海沿岸には、白と黒の縞模様が美しく重なる断崖がある。
その名は、「須佐ホルンフェルス」。
国道をドライブしていると、須佐ホルンフェルスという案内看板が目に飛び込んできた。
地形地質、そしてなぜか横文字に惹かれやすい私は、吸い寄せられるようにこの場所へ向かっていた―
駐車場に車を停め、決して歩きやすいとはいえない遊歩道を10分ほど歩くと、まるで巨大な地層の本を開いたような岩肌が目の前に現れた。
灰白色の砂岩層と黒色の泥岩層が交互に重なり、波に削られた断崖にくっきりと浮かび上がっている。
その姿からは、長い時間をかけて大地が形づくられてきたことを実感する。
須佐ホルンフェルスは、白と黒の縞模様が印象的な地質景観である。
この縞模様は、かつて海底に堆積した砂や泥が重なった砂岩泥岩互層に由来する。
その後、約1,500万年前のマグマの熱を受け、岩石は硬く緻密な「ホルンフェルス」へと姿を変えた。
こうした変化が、現在の特徴的な景観を残す一因になっているものと考えられている。
自然が長い時間をかけてつくり出したこの縞模様の断崖は、まさに地球の記録を刻んだ場所―
現地で地層を見上げると、地球は常に変化し続けている存在であることを実感する。
海底で形成された地質がマグマの熱で岩質が変化し、陸となり、波に削られ、今の景観が形づくられる。
須佐ホルンフェルスの縞模様は、地球の長い歴史と、これからの社会のあり方を考えるきっかけを与えてくれる。
私たち人類は今、食糧危機、気候変動、災害の頻発化・激甚化など、多くの問題に直面している。
須佐ホルンフェルスが長い時間の中で姿を変えてきたように、私たちもまた、新しい知見や技術を取り入れながら変化を続けていく必要があるだろう。
地球の変化を知り、その上でどう共存していくのか。
須佐ホルンフェルスの縞模様を前にして、そんなことを考えた。
(文:中村 祐貴)
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